
下痢・便秘:重篤な病気が隠れているかもしれません!!
下痢・便秘:重篤な病気が隠れているかもしれません!!
嘔吐や下痢が続く場合は、重篤な疾患が隠れていることがありますので、
早めに医療機関を受診することが大切です!!
下痢とは、通常よりも頻回で水分の多い便を排出する状態をいいます。下痢は一時的なものから慢性的なものまでさまざまで、体内の水分バランスに影響を与えることがあります。慢性的な下痢の場合、潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患が考えられます。急激な腹痛や下痢を伴う場合は、感染性腸炎、サルモネラ菌やカンピロバクター菌など食中毒による腸炎の可能性もあります。便秘や便が細い場合は、大腸がんなど悪性疾患の可能性もあり、大腸カメラによる精密検査が望ましいです。
下痢の原因はさまざまですが、主なものに以下のものが挙げられます。
感染症
ウイルス、細菌、寄生虫などの感染
食中毒
汚染された食べ物や水の摂取
食事の影響
食品アレルギーや不耐性(乳糖不耐症など)
消化器系の問題
炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群(IBS)、大腸がんなど
薬物反応
抗生物質や下剤の使用
その他
ストレスや不安、糖尿病や甲状腺機能低下症、尿毒症、強皮症、パーキンソン病など
水分補給
電解質飲料やORS(経口補水塩)を摂取して水分と電解質を補給する
食事管理
下痢が治まるまで脂肪分や繊維質の多い食べ物を避け、消化の良い食べ物を摂取する
薬物療法
必要に応じて止瀉薬や抗生物質が処方されることがあります
安静
十分な休養が必要なこともあります
便秘は、脳・心血管障害や大腸がんのリスクです!!
便秘に市販薬やサプリメントなどで対応している方、一度相談してください!
便秘は「便が出ないこと」だと思っている方が多いのですが、毎日排便があっても満足できる状態でなければ便秘です。これは、便秘の定義として日本消化器病学会が発表した「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」に基づいています。
腸内に不必要な便がたまっている状態や、排便に過度のいきみが必要な排便困難がある場合、腸や肛門に大きな負担をかけ、さまざまな疾患の原因になります。便秘は体質や食生活などの生活習慣も大きく関係しますが、医療機関を受診して適切な検査と治療によって改善できる病気です。また、大腸刺激系下剤の市販薬やサプリメントを常用していると、便秘を慢性化・悪化させやすいため注意が必要です。
さらに、大腸がんなどの深刻な病気があって、その症状として便秘が現れていることも考えられます。便秘が長期間続く場合や、血便、激しい腹痛、体重減少、便が細くなるなどの症状がある場合は、早めに医師の診察が必要です。
便秘症は、さまざまな疾患の原因になり、生活の質を低下させます。主な病気として、以下のようなものが挙げられます。
脳血管障害や虚血性心疾患
便秘の方は、便秘のない人に比べて、脳卒中や心筋梗塞などでの死亡のリスクが高いことがわかっています
大腸がん
便秘の方は、便秘のない人に比べて、大腸がんのリスクが高いことがわかっています
便秘症にはさまざまな原因があります。たとえば、朝食をとらない、食事の時間が不規則である、といった生活スタイルが原因となることもあります。
主な原因として、以下のようなものが挙げられます。
食物繊維の不足
野菜、果物、全粒穀物の不足
水分不足
十分な水分摂取がないと便が硬くなります
運動不足
運動は腸の動きを促進します
不規則な排便習慣
トイレを我慢する習慣があると便秘になりやすくなります
加齢
年齢とともに消化機能が低下します
妊娠
ホルモンの変化や子宮の圧迫により便秘が起こりやすくなります
腸の病気
大腸がん、大腸ポリープ、腸閉塞、過敏性腸症候群(IBS)など
鎮痛薬
特に麻薬系鎮痛薬は腸の動きを遅くします
抗うつ薬
一部の抗うつ薬が便秘を引き起こすことがあります
ストレス
精神的なストレスや緊張が腸の動きに影響を与えることがあります
ホルモンの変化
甲状腺機能低下症や糖尿病などのホルモン異常
便秘は、大腸疾患などによって起こる器質性、蠕動運動などの機能に問題がある機能性に分けられます。器質性は狭窄の有無によってさらに細かく分けられます。
最も多いタイプの便秘です。生活習慣やストレス、加齢などの影響を受けて、大腸や直腸・肛門の働きが乱れる結果起こります。
弛緩性便秘
(=大腸の運動の低下)
腸管の緊張がゆるんでしまい、ぜん動運動が十分行われないため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプ。便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多いです。おなかが張る、残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状も起こります。運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなど生活習慣の乱れが誘因になることもあります。
けいれん性便秘
(=大腸の過緊張)
副交感神経の過度の興奮によって腸管が緊張しすぎてしまい、便がうまく運ばれずに、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるタイプ。食後に下腹部痛、残便感などの症状があることもあります。また便秘と下痢を交互にくり返すことも多いです。精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群(IBS)などが誘因になります。
直腸性便秘
(=直腸に便が停滞)
運ばれてきた便が大腸から直腸に入ると、直腸のセンサーが働き便意を催しますが、便が直腸に達しても排便反射が起こらず(便意が無い)、直腸に便が停滞してうまく排便できなくなるタイプです。高齢者や寝たきりの人のほか、痔や恥ずかしさなどにより排便を我慢する習慣がある人に多いです。また、近年、温水洗浄便座(ウオッシュレット)の水を肛門の奥まで入れる習慣により神経の感度が鈍り、便秘になる人が増えています。
腸管の物理的(器質的)なものや状態により便の通過障害が起こる便秘症です。大腸がん、腹部手術後の腸管の癒着、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)などの原因があります。また女性で直腸の一部が腟に入り込んでしまう直腸瘤も、よくある原因です。このタイプの便秘では、まず元の病気を治すことが基本です。
全身疾患に伴うホルモン分泌異常や神経系の異常により腸管のぜん動運動が弱くなり、便秘になります。全身疾患としては糖尿病、甲状腺疾患、脳血管障害、パーキンソン病、自律神経疾患、膠原病などがあります。
各種の薬による副作用でおこる便秘症です。抗うつ薬、抗コリン薬(ぜん息や前立腺肥大、パーキンソン病などの薬)、咳止めなどは大腸のぜん動運動を抑えるので、副作用で便秘になることがあります。
便秘の治療には、生活習慣の改善や薬物療法があります。
食物繊維の摂取
野菜、果物、全粒穀物、豆類などを増やす
水分補給
十分な水分を摂取する
定期的な食事
規則正しい食事を心がける
適度な運動
毎日の運動が腸の動きを促進します
排便習慣の確立
トイレに行きたくなったら我慢せずに行く
ストレス管理
リラクゼーションや趣味を通じてストレスを軽減する
下剤
便秘が続く場合には下剤が処方されることがあります
浣腸
緊急の場合に使用されることがあります
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